子育てを「開く」ということ

最近、僭越ながらイベントに講師やトークゲストとして呼んでいただくことがあるのですが、土日の昼間のイベントだったりする時は、なるべく子どもを連れていくようにしています。

実は、過去のあるイベントで一緒に登壇させていただいた方が子どもを連れてきてらっしゃるのを見て、「お、これはなんだか良さそうだ」と思ったのがきっかけでした。

僕は、実家の親との同居も都市と地方に分かれて住んでいてなかなかできない、保育制度もままならない、そういう状態の今の日本で、夫婦だけで子育てを完結することは事実上不可能、または完結しようとすると何かを犠牲にしなくてはならないほどハードルが高い、または極めて効率が悪いと思っています。(効率という言葉をあまり使いたくありませんが。)

もちろん最低限のマナーや生きていく上で必要な力は親がきちんと責任を持って教えるべきだと思いますが、それ以外の多様な物事は、誰から教わったっていいと思っています。そして、親の仕事は、多様な人たちや多様な社会のあり方に早くから子どもが触れる機会を増やすこと、そこから何かを感じてもらったり、そこから子どもが何かを教えてもらったりするのを邪魔しないことだと思います。

言ってみれば、子育てを「閉じる」のではなくどんどん色んな人に「開いて」いって、関わってもらう人を増やすこと。

経済・社会・災害など、あらゆることの予測が難しくなっている状況においては、これは子育ての資源を多様化しておくリスクヘッジでもあり、それこそが親の役目だという気もしています。

その視点から考えると、仕事とはいえ多くの人が集まるセミナーやトークイベントは、子どもにとってもすごくいい機会だと思いますし、実際にやってみるとそれ以外にもポジティブな面がありました。

1.  子どもが親の仕事やそこで触れ合う人、そこでのコミュニケーションの仕方に触れることができる

 

当然ですが人は多面的で、それは子どもにとっての親も例外ではありません。親という顔と、社会の中で他の人と関わっている時の顔は違うはずで、それを子どもが見ることで自分の親の仕事の様子を「なんとなく」感じることができます。3歳にもなれば「パパは仕事に行く」ということを認識していて、その「仕事」というものをブラックボックスにせずになるべく見せていくことは、子どもが自分なりの仕事観や人生観をつくっていく上で、長期的にインパクトがあると思っています。

2. イベントに来た人にも良い影響がある(と思われる)

 

これからの世の中を考える上で、仕事とプライベートの時間はどんどん混ざりあって切り離せなくなり、いかにバランスをとり融合させていくかということが男女関係なく大きなテーマになることは間違いありません。一方で「実際に混ざり合っている様子」というのがどういう状況なのかが、実はあまりイメージする機会がありません。やっぱり仕事は仕事、プライベートはプライベートで、仕事を早く終わらせて焦って子どもを保育園に迎えに行く、そういうイメージの方が強いんじゃないかなと思います。

そういう意味で、イベントに子どもを連れていった時に生まれる「あくまで仕事として来ているんだけど子どもと一緒にいる」という状況は、僕が過去に何かを感じたように、イベントに来た人にとっても何かを感じさせるものがあるようです。特に仕事にフォーカスしがちな男性が自然にそういう「混ぜ方」をしているのを見ると、若い世代にとっても良い影響があるようです。

3. プレゼンやトークがリラックスしてでき、クオリティがあがる

 

これはやや意外な点でしたが、実は子どもを連れていると普段よりリラックスして臨めるので、結果的にクオリティは下がらないことの方が多いです。むしろTEDなどの優れたプレゼンではお決まりの「自分のストーリーを語る」(人はその人の個人的なストーリーやエピソードに最初に惹きつけられて興味を持つことが多いので、テクニックとして活用されている)というのが、子連れだと普通にできる(というか一度はイベントで来てくださってる方に説明しないといけないので、結果的にそういう要素が入る)ので、自分が子どもを連れていくようになる前に懸念していた「イベント主催者側に迷惑をかけるのではないか」「自分に期待されている役目を果たせないのではないか」というのはほとんどないと思うようになりました。

もちろんこれはイベントやトークの種類によるので一概には言えませんし、あくまで僕の場合は、です。でも、思ったよりもなんとかなるし、思ったよりも子どもも楽しんでるな、というのが正直な感想です。

写真はちょうど先日お話させていただいた学生さん向けのイベントで、学生さんも何かを感じてくださったようです。そして息子も会場の外の広場でアイスを食べて走り回ったりして、彼なりに楽しんだようです。(僕のプレゼン中は横でずっとタブレットでゲームをすることになり、それはちょっと他のやり方もあったかなと反省しています・・・)

自分も日々精進ですが、迷っている方には強くおすすめします!

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