東京ミッドタウン日比谷は「はたらく」と「くらす」が見事に融和している稀有なスペースでした

お恥ずかしながら、ずっと話題になっていた日比谷ミッドタウンに三井不動産の方にご案内いただきやっと行ってきました。オープン当初からかなりメディアに出たこともあり、開業1ヶ月で来場者が200万人を突破するなど好調だということは聞いていましたが、その後も来場者数は好調とのこと。

行く前は「新しい商業施設の一つ」というくらいの理解しかしてなかったのですが、実際に行ってみると日比谷という場の歴史、日比谷公園の目の前という開放的な空間、そしてはたらく人にとっても買い物や飲食をする人にとっても便利な立地、という要素を組み合わせて、今までにない価値を提供していることに気づきました。

<はたらく場所について>

通常のオフィスも入っているのですが、三井不動産さんが手がけているWORK STYLINGという、コワーキングスペース+小中規模レンタルオフィススペースを組み合わせたスペースが入っています。

以前他の拠点も見せていただいたのですが、こちらのスペースは禅・和をモチーフにしているらしく、デザイン意匠がとてもおもしろかったです。色使いもおさえめで集中できそうな感じでした。コワーキングスペースは日本中にたくさんできていますが、やはりデベロッパーさんが本気を出してつくっている場所はクオリティが違います。三井不動産のお客さんがメインのユーザーなので、一般的にコワーキングスペースに馴染みが薄いと思われる大企業の人でもストレスなく使えるように工夫されています。

別フロアには大企業だけでなくスタートアップ・NPO・個人など色々な立場の人を結びつけるビジネス想像拠点「BASE Q」というスペースがあり、そこにRoyal Hostが運営するハイエンドラインのRoyal Garden Cafeが入っていました。会員登録なしでもここは使えるということで、ビルの中に色々な立場が色々なタイミングで使える「はたらく場」があるのは素晴らしいなと思いました。

カフェやファミレスで打ち合わせや仕事をしようとする人は多いと思いますが、一方でなかなか現実的には席が使いづらかったりみんなで集まりづらかったりと使いにくいケースが多いのが実情です。ここは予めスペースを予約して使えるようなので、かゆいところに手が届いてるなあという感じ。

<くらす・たのしむ場所について>

東京ミッドタウン日比谷は、おそらく商業施設の規模としてはそこまで大きくないと思われるのですが(60店舗程度)、ビルの真ん中を吹き抜けにして、その周りをショップが囲むような形になっていて、回遊性を高めていると思われます。

行った日はGalaxyのイベントをやってました

コンパクトな構成であるがゆえにお店を「そぞろ歩き」するような楽しみがあり、それを象徴するようなお店が日比谷セントラル。書店の有隣堂が仕掛ていながら、区画内に書籍、ファッション、理容、飲食などの複数の小さなお店を配置して、小さな街のような空間にしています。

コンセプト自体もすごく面白いのですが、実際に行ってみるとこの「商業施設の中の一コーナーにお店の集合体がある」という空間設計が、「この商業施設は小さくて個性的なお店の集まりである」という感覚を与えてくれて、施設全体が広く感じられる効果があるなと思いました。

また、居酒屋や理容といったあえて日常的な要素の店舗を組み込むことで、周辺の人の「くらし」に使える、という感覚がうまく打ち出せてるなと思います。

この「日常のくらしの延長線上にある感じ」は施設全体から感じられて、地下から入ろうとすると元々の建物の意匠を活かしたラウンド型の天井が続き、ミッドタウン地下の店舗がそのラウンド型のアーチの中におさまり、建物と周辺の空間が切れ目なくつながっています。

酒屋さんで角打ち。日常にうまく溶け込んでいます

この「丸み」「曲線」が通底したデザインコンセプトになっていると思われ、(建物自体がかつて日比谷にあった鹿鳴館の時代をしのんでダンシングタワーというコンセプト)、それも居心地の良さに影響していると思われます。

日比谷という伝統的に劇場などがあった立地、シネコンが入っていること、エンターテインメントに力を入れていることからも、全体的にいわゆる文化芸術の要素をきちんと入れて優雅さを醸成していますが、にもかかわらず全然堅苦しく感じないのがびっくりしました。

空中庭園から建物を見る

賑わっていたフードコートも、海外のマーケットのような店同士の境目があまりなく気軽にホッピングできるような環境をつくっていて、でも全然安っぽくない、一つ一つの店がきちんとしたクオリティのものを提供していること、お客さんがそれを理解した上でここに立ち寄っていることがわかる空間でした。

まだ一度見ただけですが、日本のあまたある商業施設の中で、ここまで「はたらくこと」と「くらすこと」が融合し、日常的に「使える」施設というのはほとんどないんじゃないかと思いました。

ほとんどの場合、商業施設とオフィスエリアはきっちり分かれていて、オフィスで働く人は商業施設の店舗には立ち寄らないという風になってしまうと思うのですが、ここは「オフィスエリアではない、はたらく場所」という中間エリアもあるので、それを繋ぎ目にしてうまく融和しているなと感じました。

こういうシームレスさが出てくると、もっとはたらくこともくらすことも楽しくなるなと改めて思いました。まだまだ混んでると思いますが、ぜひ一度体感しに行ってみることをおすすめします!

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